レッドブルは先日、エイドリアン・ニューウェイのチーム離脱を発表した。ゴタゴタの続いているレッドブルだが、マクラーレンのザク・ブラウンCEOはニューウェイがレッドブルを離脱する最後のスタッフではないと見ている。
2006年にレッドブルへ加入し、ドライバーズタイトル7回、コンストラクターズタイトル6回の獲得に貢献してきたF1マシンデザイナーのニューウェイ。彼は今季開幕前から始まった内部の権力闘争に幻滅し、チームを離れることを決断したと理解されている。
■ニューウェイ、レッドブルの次のキャリアは“ノープラン”「少し休みたい」
チーム内部でクリスチャン・ホーナー代表とアドバイザーのヘルムート・マルコ、そしてオーストリアとタイ側が対立しているとされるレッドブルだが、ニューウェイという超大物の離脱は、今後もチームから人材が離れていく可能性を示しているかもしれない。
マクラーレンのブラウンCEOは、界隈で飛び交う“履歴書”の数から考えてもニューウェイがレッドブルを去る最後の人物にはならないだろうと語っている。
「私が驚いたかって? 半年前だったなら、驚いていただろう」
ブラウンCEOはそう語る。
「だが今年の初めから起きていること、そしてエイドリアンのことも良く知っていて彼がとても誠実な人であるということも知っていれば、去ることになったのは驚きではない」
「今起こっていることは、少し不安定だと思う。おそらくこれが倒れていく最初のドミノだろう。飛び回っている履歴書に基づけば、これが最後ではないというのが私の推測だ」
マクラーレンはレッドブルの混乱が始まって以来、より多くの履歴書を受け取っているのか? そう尋ねるとブラウンCEOは「イエス」と答えた。
「我々のもとに来るそのチームからの履歴書が増えている」
「私はエイドリアンが史上最も成功したデザイナーだと考えている。そのため、彼がレーシングチームにもたらす技術的なクオリティがあり、エイドリアンのような人間の周りで共に働きたいと人々は考える」
「つまり、彼らは(ニューウェイが)技術的な観点からチームにもたらしているモノを失うだけではなく、彼と一緒に働くことで人々が得られるリーダーシップやエキサイトメントをも失うことになると思う」
なおニューウェイは2025年の第1四半期をもってレッドブルを離れることになっている。その後については発表されていないが、フェラーリへの移籍が有力なのではないかと言われている。
ブラウンCEOは、マクラーレンとしては現在の体制に満足しており、ニューウェイ獲得に動くことはないと示唆した。
「マクラーレンに関してで言うと、私はウチのスタッフたちがやっている仕事全てにとても満足しているんだ」
「昨年の後半から、クルマにパフォーマンスをもたらす方法をスタッフたちが知っていることを示し始めたと思う。だから私は自分たちチームを世界で最も信頼している」
「我々はトップに返り咲くことを目指しているが、人材や才能、設備、ドライバーは揃っていると思う。だから、このまま進んでいくつもりだ」
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